25% 50% 25%
サッカーレッスンの内容をプランニングする際、
25 : 50 : 25
という数字を考慮します。
この数字は、
25% 簡単な課題
50% 実力にあった練習
25% 難しい練習
を表します。
この考え方は、デンマーク流の指導哲学※1で、一回のレッスンの中に、どの難易度の練習を、どれぐらい盛り込むかの指針になります※2。
※1 私が大好きな「奇跡のレッスン」というテレビ番組で、ハンドボールのデンマーク人コーチが紹介された考え方です。
※2 もちろん、厳密にこの数字に当てはめてやってるわけではありません。また、年齢が下に行けば行くほど難しい練習の割合が減ります。
子どもたちは、「簡単な練習」と「実力にあった練習」の中で、成功体験を積み重ね、自信を付けることができます。
また「難しい練習」の中では、チャレンジ精神を養い、新しいスキルを身につけることができます。
基本的に、一回のレッスンでは、徐々に難易度が上がっていきます。そして、良い形で終わるために、最後の最後に難易度を落とすことが多いです。
レッスンではまず、簡単な練習から入り、子どもがストレスやプレッシャーなく楽しめむ事ができ、レッスンを良い形でスタートできるようにします。また、簡単な練習を通して、ウォーミングアップをしたり、運動神経を磨くための遊びをしたりします。
その後「実力にあった練習」に移ります。イメージとしては、やればある程度出来る内容の中に少し難しいことを盛り込みます。すでにある程度出来る技術を、さらに確実なものにするため、また、少しだけチャレンジな課題にも取り組みます。
次に「難しい練習」を行います。これは基本的には、新しいスキルを獲得するため、または、技術修正のために行います。強制はせず、子どもの反応を見ながら進めます。難しい練習が多すぎると、やる気を失ったり、楽しくなくなったり、自信を失ったりしてしまうので、多過ぎてはいけません。
保護者の方からすれば、せっかくレッスンを行ってもらうのだから、「もっと難しいこと」「出来ないこと・新しいこと」に取り組んでほしいという思いが強いと思います。もちろん気持ちは分かりますが、スポーツにおける成長のプロセスは長い目で見る必要があります。子どもがスポーツを楽しみにながら、途中でドロップアウトしないように、ある程度優しく見守ってあげることが良いでしょう。そして、何よりも、子どもが楽しんでるかどうかを見てあげてほしいです。
スポーツは決して「上達」する事、「成果」をおさめる事が全てではありません。スポーツは、子どもの生涯を「豊か」にするためのものなので、「上達しているか」「結果を出しているか」以上に、子どもが「楽しんでいるか」「イキイキとプレーしてるかどうか」が大切だと思います。
なので、子どもがスポーツに取り組んでる姿を見るときはぜひ、「どれぐらい上手か」だけではなく、「どれぐらい楽しんでるか」を見てあげると良いと思います。そして、極力、他の子どもと比較したり、相対的な見方から評価をしたりしないように気をつけ、「楽しむ」事が大切だというメッセージを発信し続けてほしいです。