運動神経が良い!スポーツが大好き! そんな子どもを育てるために サッカーコーチのブログ

アデレードでサッカーレッスンを行なっているコーチのブログ。

サッカーを習えば必ず上手くなるは嘘!?

先日、レッスン生のお母さんとある地元のサッカークラブの話になりました。知り合いから聞いた評判はあまり良くなかったけれども、サッカーが好きなお子さんにプレーする環境を少しでも増やすためにクラブに入れてあげたそうです。

 

そのお母さん曰く、評判通り、いくつかのスキルアップの練習があり、その後試合をするみたいなのですが、その中で具体的な指導がなされないそうです。30人ぐらいの子どもたちがいて、コーチは数人ですから、そうなるのは仕方ないが、子どもが上手くなるかどうかが心配だと話していました。

 

このお母さんの心配が的を得たものです。お話しをお聞きした後、僕なりのアドバイスをさせていただきました。

 

子どもにサッカーを習わせてる保護者の方の中で、「サッカーを習わせれば(自動的に)サッカーが上手くなる」と思っている方が見受けられます。

 

しかし、率直に言ってスポーツの上達はそんなに単純なものではありません。

 

サッカーに限らず、子どもにスポーツを習わせている保護者の方で、ただ楽しむだけでなく、上達してほしいと願っている場合、次の二つのポイントを考えなければなりません。

 

一つ目は、子どもは本当にスポーツを"習っている"のかです。例えば、子どもがスポーツを楽しんでるだけで、具体的にコーチから何かを教えてもらっていたり、働きかけられていたり、ある技術・動作の反復をさせてもらえていなかったり場合、それはスポーツをやっているとは言えても、"習っている"とは言えません。

 

スポーツコーチにまず求められるのは、レッスン・練習を成り立たせることです。子どもがその場でスポーツを習ってるかどうかは別として、少なくともスポーツをプレーする環境をつくることです。練習が滞りなく進むようにファシリテートすることができなければ、レッスンは成り立たなくなります。つまり、練習の進行役としての役割を担います。これはレッスンの「楽しさ」に大きく影響するでしょう。

 

その上で、次にコーチに求められるのは、子どもを上達に導くことです。子どもが上手くなるための練習をプランニング・実施し、その中で具体的に教えたり、働きかけたりすることを通して、子どもを成長させます。コーチは単なる進行役ではなく指導者としての役割を担います。これは子どもの「成長」に大きく影響します。

 

この二つの役割を担うコーチがいてこそ、楽しみつつ上達するレッスンが生まれます。そして、前者だけでは、楽しめたとしても、上達することには限界があります。むしろ、変な癖ばかりが固まっていってしまい、下手になることもあるでしょう。

 

ただ楽しんでくれさえすれば良いのであれば全く問題ありませんが、上達して欲しいのであれば、本当に子どもがその場でスポーツを習っているのかを見分ける必要があります。どうやって見分けられるでしょうか? そのスポーツ初心者の人にとっては難しいと感じるかもしれませんが、意外と簡単です。コーチが具体的な働きかけ・教授・指導をしているかどうか、また、子どもが目に見えて上達してるかどうかを見れば分かります。

 

特に、子どもが上達したいと願っている場合は、できる限りその子にとって最適な環境を用意してあげてください。後から後悔しても、時間は戻ってこないですし、若いうちにしかスポーツは上達の速さは望めないので、子ども時代の環境はとても重要です。